考えすぎて疲れた日に。私を救った「無心」の教え
昔から私は、ずっと頭の中が忙しい状態でした。
朝、目が覚めたその瞬間から、頭の中の「おしゃべり」が始まります。
「今日の予定、ちゃんとこなせるかな」
「昨日、あの人に言った言葉、変に受け取られていないかな」
まだ起き上がってもいないのに、頭の中はすでに昨日の後悔や明日の不安で溢れそうになっています。
こんなふうに、気がつくと頭の中でいろいろと考えすぎて疲れてしまうことが、私にとっては日常茶飯事でした。
無意識のうちに周りの情報や他人の顔色を敏感にキャッチしては、頭の中で何度も何度も反芻してしまいます。
「気にしなきゃいいのに」と、なんとか考えないようにしようと思うほど、頭の中の嵐は激しさを増していくばかり。
最近も、そんなグルグルから抜け出せずに頭が疲れていましたが、そんなとき、ふとブッダの「ある教え」に触れる機会がありました。
それは、私が抱える生きづらさを根本から解きほぐしてくれる、とても優しい視点でした。
ブッダが教えてくれた「無心」という考え方
ブッダは、人間が抱える苦しみの多くは、自分自身の頭が作り出した「妄想」のせいだと説いています。
脳は生存本能から、1日に約6万回もの思考を自動的に繰り返しているそうです。
しかも、その大半はネガティブな内容や、昨日と同じことの繰り返しなのだそう。
つまり、「考えすぎてしまう」のは、自分の意志が弱いからではなく、脳の自然な生存本能(防衛反応)によるものだったのです。
そんななかで、ブッダは「無心」でいることの重要性を説いています。
「今この瞬間に意識を戻すこと」。
これが、日常の中での妄想による脳の疲れをなくす「無心」の瞬間を作るための、具体的なアプローチでした。
しかし、無心が大切とはわかっていても、考えが浮かんでくるのをなかなか止めることはできません。
それは心臓がドキドキ動くのと同じで、止めようとすれば余計に苦しくなります。
そして、そんな時大切なのは、
「考えないことではなく、考えに捕まらないこと」。
頭の中に不安が湧いたとき、
それを「ダメなこと」と消し去ろうとするのではなく
「あぁ、いま自分は不安なんだな」
「他人の目を気にしているな」
と、客観的に眺めてみる。
ただ、空を流れる雲を見つめるように、自分の思考をただ流していく。
その練習こそが、ブッダの言う「修行」の正体でした。
実際に、瞑想を習慣にしているお坊さんの脳は、雑念や不安を生み出す活動が抑えられ、とても穏やかな状態に変化しているそうです。
また、脳が「無心」になっている時には、リラックスして動く特別な回路(デフォルト・モード・ネットワーク)が働きます。
そして、この回路がリラックスして動いている時にこそ、クリエイティブなアイデアや新しい直感が湧きやすくなるとのこと。
このことを知ってから
「いつも頭が忙しい私にとって有効な方法かもしれない」と思い、
日々の些細な瞬間の中で、この「無心」の時間を少しずつ試してみました。
日常の小さな感覚に意識を向ける
まず、お皿を洗うとき。
「早く終わらせてあれをしなきゃ」という焦りが浮かんでも、手のひらに伝わる水の感触、泡の質感、お皿がきれいになる様子に、そっと意識を戻すようにしてみました。
散歩のときも、
普段は何か有益なインプットをしなきゃと、イヤホンで音声を聴きながら歩いていたのですが、あえてイヤホンを外して歩いてみました。
足の裏が地面を踏みしめる感触や、頬をなでる風の音だけに、そっと意識を向けてみます。
そして、私が普段向き合っている「アート」の時間もまた、この無心の実践そのものでした。
iPadを開いて、ただ今の自分が心地よいと感じる色を選び、画面に線を引いていく。
「上手く描こう」とか「誰かに見せよう」という結果(執着)を手放して、色が混ざり合っていく目の前のプロセスだけに没頭します。
そうやって「今、この瞬間の感覚」に深く集中しているとき、頭の中の騒がしい嵐は、いつの間にか静かになっていました。
「今ここ」の感覚が、心に余白をつくる
絵を描いている途中でも「あの予定は?」「夕飯はどうしよう」などという他のことへの雑念が湧いてくることもあります。
それでも「あ、また考え事に捕まっていたな」と気がついたら、ただ優しく「ペンの感触」や「画面をこする音」に意識を戻していくようにしています。
その「気づいて、戻す」というささやかな繰り返しが、忙しく動いていた頭をゆっくりと休ませ、本来の穏やかさを取り戻してくれるように感じます。
そしてこの時間が、私にとってのなによりの「瞑想」となる大切な時間なのだと改めて気付いたのです。
私はこれまで、悩みやすい自分を「直さなきゃ」と必死に頑張ってきました。
ただ、頭の中の「おしゃべりの嵐」に巻き込まれて、立ちすくしていただけだったのかもしれません。
でも、嵐に巻き込まれるのではなく、少しだけ意識を「今ここの感覚」に向けて、頭の中に優しい「余白」を作ってあげること。
一見、「無駄」に思えるその無心の時間こそが、疲れた脳を回復させ、新しいアイディアやひらめきを生み出す「ゆとり」をくれるのだと思います。
もしかしたら私と同じように、いつも頭の中が忙しくて休まらない、と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、ほんの数分だけでもいいので、スマホを置いて、ただ「今ある感覚」を味わう時間を作ってみませんか?
もし、あなたが「今ここに戻る」ためにやっていることがあれば、ぜひコメントで教えていただけたら嬉しいです🌿
cocoiro
PS.
散歩やお皿洗いでも「無心」は作れますが、一人でやっていると退屈に感じたり、つい考え事に戻ってしまったりしますよね。
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ココイロさん、こんにちは。
私はたまに、ルートを決めない散歩をすることがあります。交差点に来たら、その瞬間に行きたい方へ行く。今の自分の気持ちに気がつく、意識する練習にもなってます。
わたしも頭の中が忙しいタイプです。散歩は今ここを感じられるアクションですね✨五感を優先して使うと、今ここに戻りやすい気がしています🍀